旅先やお出かけ先で、ふと目に留まった風景に引き寄せられることがあります。
この日もそんな小さな“偶然”から始まりました。
車を走らせていると、道沿いにふわりと垂れ下がる大きな白藤の花と、「Botanical & Cafe」の看板が目に入りました。
その静かな佇まいに惹かれるように、自然とハンドルを切って、駐車場へ。
「Botanical&CAFE Breed」
初めて聞く名前でしたが、看板の雰囲気に心惹かれ、迷わず立ち寄ることにしました。
紫陽花の庭で出会ったこと
カフェに併設された温室へ案内され、思わず息をのみました。
ハウスの中には、色とりどりのアジサイが所狭しと咲き誇っています。
それぞれに異なる表情を持つアジサイたちは、ブルー、パープル、グリーン、ピンク……淡くやさしいものから、艶やかに彩るものまで。
そこはまるで“紫陽花の庭”。
「奥にもあるのでゆっくり見ていってくださいね」
とスタッフの方のお言葉に甘えて、ゆっくりと見させていただきました。
一つ一つをじっくり見ていくと、似ているようで違う模様だったり、表情もさまざまなことを発見できます。
なんと、オーナーさんは、シクラメンやアジサイを長年手がけてこられた育種家の方で、農林水産大臣賞を受賞したこともあるのだそうです。
なるほど、ハウスの中にただならぬ雰囲気があるのも頷けます。


観葉植物とコーヒーと
お店には観葉植物のコーナーも。
エバーフレッシュ、フィカス、アグラオネマ……葉のフォルムや色合いをじっくり眺めながら歩いていると、時間の流れが緩やかになります。
この場所には、植物の持つ癒しと静けさが満ちていました。
カフェスペースに戻って、香り高いコーヒーを一杯。
丁寧にドリップされたその味は、どこか土の温かさを思わせるようで、心もからだもほぐれていくようでした。
一角には、小さな切花がさりげなく飾られていて、その一輪にまで“植物を愛する人”の気持ちが込められているのを感じます。


ただ通り過ぎるだけだった場所に
日常の中で、「なんとなく通りすぎていたかもしれない場所」が、ある日突然、とても大切な場所になることがあります。
この日のBotanical&CAFE Breedとの出会いは、まさにそんな感覚でした。
藤の花に誘われて、小さな冒険が始まり、紫陽花の美しさに包まれ、育てる人の想いに触れ、一杯のコーヒーにほっと心が和らぐ。
いけばなとはまた違った形で、花との向き合い方を感じさせてくれる場所。
「育てる人」のまなざしと、「いける人」のまなざし。
その違いと共通点を静かに思いながら、また訪れたい場所がひとつ増えました。
それでは、今回はこの辺で。
花と猫、そしてちょっとの探訪記
いけばなとともに、今日もひと息。
