花器を隠すコツとは?|投入の傾真型で学んだ基本技術

いけばな教室探訪記
【第七回】いけばな日和:花器をちゃんと隠す!投入の傾真型に挑戦
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季節は少しずつ春の深まりを告げています。

桜や菜の花のたよりが街を彩る中、第七回となるいけばな日和のお稽古に行ってきました。

花に触れる時間は、自分の中の季節の移ろいにも気づかせてくれます。今回は、そんな小さな発見を大切にしながらいけてみました。

【第七回】いけばな日和:傾いて、まっすぐに。

今回のレッスンでは前回の課題だった「花器をちゃんと隠すこと」、そして「怖がらずに足すこと」を意識して臨みました。

今日は2コマ連続。先生から「①-[8] 基本傾真型・盛花(逆勝手)」は飛ばして、その代わりに「傾真型を投入でやってみようか」と提案していただきました。

投入はまだ少し苦手意識がある私にとって、この提案はとてもありがたくて、「今ここで取り組むのがきっといいよ」と先生が考えてくださったことが伝わってきて、嬉しかったです。

基本の型はあるけれど、投入は花器の中で枝が絡まって自然に安定する面白さがあるから、順番にとらわれすぎないでいい。

そんなお話を聞いて、少し肩の力が抜け、自分なりの向かい方を探していこうと思いなおします。

[9] 基本傾真型・投入

立真型(りっしんけい)、傾真型(けいしんけい)はどちらも3本の主枝を使って付近辺三角形をかたちづくりますが、傾真型は真を傾けることで、動き柔らかさ自然な流れを感じさせる型になっています。

投入になると、花留めの技術や花器との関係がガラッと変わるので、同じ型でも新鮮に感じました。

先生のアドバイスメモ

  • 投入では真・副・控に加えて従枝を入れていく流れが基本だけど、花材の特性によっては順番にこだわらなくても大丈夫。
  • 花器の中で自然に枝が絡まるから、安定すればOK!
  • ラナンキュラスのように花びらがしっかりしている花材は生けやすいけれど、菊などは細くてスポッと抜けやすいので、刺す角度に注意。

春を描く、三つの表情

さて、今回の花材は、春の訪れを告げるようなレンギョウの明るい黄色と、ふんわりと華やかなラナンキュラス。そこにドラセナのシャープなラインを加えることで、全体のバランスや空間の引き締まりを作っていきます。

レンギョウは、やわらかな黄色が目にまぶしく、まるで陽だまりのような存在。
細やかに枝先まで咲き誇るその姿は、春の訪れを喜ぶ小鳥たちのさえずりのようでもあり、自然と心が浮き立ちます。軽やかに枝を伸ばしながら、空間の流れをつくる役割を担ってくれました。

ラナンキュラスは、ころんとした丸い形が愛らしく、幾重にも重なる花びらが織りなすグラデーションは、見ているだけで幸せな気持ちになります。
主張しすぎず、それでいてしっかりと足元を彩ってくれる、優しくもしなやかな花です。

そして、ドラセナ。このシャープな葉の線が入ることで、作品全体に凛とした緊張感が生まれました。
ふんわりとしたレンギョウやラナンキュラスの柔らかさを引き締め、メリハリのある構成へと導いてくれる、大切な存在です。

小さな調整、大きな変化

自分なりに形を整え、「これでいいかな」と思って先生に見ていただいた瞬間。ラナンキュラスの一輪に、そっと手が伸びました。

「ほんの少し、立ててみましょうか」

先生の手直し

ラナンキュラスの角度がわずかに変わると、不思議なくらい作品全体がぐっと引き締まって見えました。視線の流れが整い、主役がはっきりと浮かび上がったような感覚。

足元には、ドラセナの葉がくるんと丸まり、やさしく花を支えています。先生が別のドラセナの茎を使ってくるくると巻き込むように仕上げてくださったもので、その柔らかく、どこか遊び心のある表情がたまらなく素敵でした。ほんの少しの工夫が、作品にこんなにも生き生きとした息吹を与えるのだと。

こういう細部へのこだわりに、先生の美意識を感じて毎回感動してしまいます。

さらに、グリーンが足した方がいいとのアドバイスもいただきました。
アセビについても「一箇所だけだと“なんでそこだけ?”って思っちゃうかも」と、配置のバランスへのご指摘も。

確かに、その一言で作品全体を見直してみると、不自然さに気づける自分がいました。

どこかぼんやりとした印象。ラナンキュラスの位置に迷いが残っていました。
一輪の角度が変わるだけで、作品全体が引き締まり、主役がくっきりと浮かび上がります。
アセビがそっと加わることで、空間に奥行きとリズムが生まれ、作品がより豊かに。

リセットと前進

花器にラナンキュラスがうまく固定できず、ふいにスポッと抜けてしまったとき、少し焦っていた私に、先生がやさしく声をかけてくださいました。

「一度、全部抜いてリセットするのもひとつの方法ですよ。」

その言葉に、心がふっと軽くなったのを覚えています。

さらに先生は、こう続けてくださいました。

「最初は30分かかったとしても、2回目には20分、3回目には10分で生けられるようになりますよ。花材のクセや角度って、繰り返すうちに自然と手が覚えてくれます。だからやり直しても、時間は無駄じゃないし、むしろ仕上がりが良くなることもあるんです。」

この言葉は、今回のお稽古の中でもとりわけ印象に残っています。今回は幸い、リセットすることなく最後まで仕上げることができましたが、もし次にまた悩んでしまうことがあれば、この言葉を思い出したいと思います。

軽やかさと、足すことの勇気と。

先生が足してくれたグリーンは、さりげないけれど、ちゃんと全体を引き立ててくれるいて、風が通り抜けるような、軽やかで自然な美しさがありました。

先生がグリーンを加えると、決して目立ちすぎることなく、全体をふんわりと引き立ててくれる。
ただ“足す”というよりも、“調和させる”ように添えていく感覚。
私も、そんな風に花材同士を響き合わせるような足し方ができるようになりたいなと思いました。

怖がらずに、をテーマにしたつもりだったけど、
実際にはまだちょっと消極的だったかも(笑)
でも、少しずつ「引く」だけでなく「足す」勇気も育てていけたらいいな。

それでは、今回はこの辺で。

花と猫、そしてちょっとの探訪記
いけばなとともに、今日もひと息。

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