同じ空間、同じ先生。けれど、ちょっとだけ違う花の時間。
午前中は、いつものようにいけばなのお稽古。
そのすぐ隣のテーブルでは、すでにドライフラワーのリースづくりが始まっていました。
花をいけながらも、つい気になってしまう――
小さな花材を手に取り、真剣な眼差しでリースを組み上げる皆さんの姿に、私は思わず目を奪われていました。
そんな様子を見ていた先生が、ふと声をかけてくださって。
「午後、やってみる?」
その一言に背中を押され、いけばなのあとに、もうひとつの花の時間がはじまりました。
教室にある、ふだんのドライフラワー
いけばなでは、“いま”をいける。
けれど、先生のお教室には、以前からさりげなくドライフラワーも飾られていて、ずっと気になっていました。
以前、スターチスをいけたときのこと。
「これはドライにしても色がきれいですよ」と先生が教えてくださった言葉が印象に残っています。
「いけばなの延長線上にあるドライ」
そんな感覚が、私のなかでも自然と形になっていたのかもしれません。
リースに使った花材たち
この日、リースに使ったのは:
- ユーカリ
- スモークツリー
- 紫陽花
- バラ
- スターチス
ドライになっても、その美しさを保つ花ばかり。
ふんわりとしたスモークツリー、アンティークカラーの紫陽花、バラをポイントに入れて、ナチュラルだけど、どこか気品のあるリースができました。

作る時間も、また楽しい
まずはユーカリなどの葉でベースをつくり、そこに小さな花の束をひとつずつ重ねていきます。
3センチほどのミニブーケをいくつも束ね、それを雲竜柳の動きに合わせてワイヤーで固定していく作業。
繊細で、集中力がいる工程。
初めての手仕事にドキドキしながらも、いけばなで養われた“花を見る目”が、どこかで手助けしてくれていた気がしました。
「リースも“いける”気持ちでいいんですよ」
先生の言葉にふっと力が抜けて、手が自然と動き始めました。
完成したリースと、ふと感じたこと
できあがったリースは、自分の“好き”がぎゅっと詰まったひとつの形。
さっそくリビングに飾ってみたら、通るたびにユーカリの香りがふんわりと。
そのたびに、あの午後の静かな花の時間が思い出されます。
生花は“今”を切り取るもの。
ドライは、その美しさを“残していく”もの。
まったく違うようでいて、どこかでつながっているふたつの表現。
同じ空間で、同じ先生のもとで、いけばなとドライの両方に触れられたこの一日は、とても贅沢で、心に残る体験でした。
それでは、今回はこの辺で。
花と猫、そしてちょっとの探訪記
いけばなとともに、今日もひと息。

